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ガス・電気・灯油、暖房費が一番安いのは?器具別の光熱費を比較

ファンヒーターを使用する女性

寒い季節のお部屋では暖房を使いたくなりますよね。せっかく使うのであれば、暖かくて光熱費が安い暖房器具を使いたいところですが、燃料ごとの暖房費や特徴をご存知でしょうか?

このページでは、一般的な「電気」「ガス」「灯油」の暖房器具のコスパや使いやすさを比較してご紹介していきます。

「電気」「ガス」「灯油」の暖房、どれが一番良い?

ガスファンヒーター 電気ファンヒーター 石油ファンヒーター
温かさ
乾燥しづらさ
使いやすさ

「電気」「ガス」「灯油」の暖房器具は主に、温める範囲・能力と乾燥のしやすさが異なります。

同じファンヒーターを例に温める力を見ると、ガス・灯油は電気と比較して乾燥しづらく、部屋全体をすぐに温めることが可能です。

温める範囲・能力から考えるとガスファンヒーターが最も暖房能力が高いと言えるでしょう。

一方で使用に際しては、ガスは使用場所にガス栓が必要で、灯油は燃料の補充が必要となりますが、電気はコンセントがあれば使用できますので好きな場所で使いやすいですね。

ただ、電気ファンヒーターを快適に使用するには加湿器などの併用が必要になることも。また、ガス・灯油のファンヒーターを使用する際は1時間に1~2回ほど換気を行う必要があります。

光熱費が一番安い暖房器具は?

平均
ガスファンヒーター 23.65円
電気ファンヒーター 18.30円
石油ファンヒーター 25.25円

※ガスファンヒーターはリンナイ公表の2.44Kwタイプのガス使用量0.058㎥×従量単価500円(税別)でガス代を算出。電気ファンヒーターはHITACHIセラミックファンヒーターの500W運転時かつ電気単価を2023年12月21日現在の東京電力の第2段階料金と想定して電気代を算出。ダイニチのファンヒーター(燃料消費量0.072リットル~0.360リットル/時間)の中央値×116.9円(石油情報センター2023年10月 民生用灯油(給油所以外)店頭価格の全国平均)で灯油代を算出。

同じファンヒーターを基準に、公表されているカタログ値でそれぞれの燃料代(光熱費)を算出したところ、1時間当たりの光熱費は電気が一番安いことが分かります。

ただし、すぐに部屋を暖められるのがガスファンヒーターのメリットでもありますので、暖房使用時間を調整できればお得に使用できそうです。

光熱費はもちろん大切な目安ですが、部屋全体を素早く温めたいのか、自室で自分の足元だけを暖めたいのかなど、使用目的に合わせて最適な暖房器具を選びましょう。

ガスの暖房器具

暖房に利用されているプロパンガスのボンベ

家庭で利用されるガス暖房器具には、ガスファンヒーターやガスストーブがあります。

点けてすぐ温かくなって乾燥しづらく、足元から温風が来るので部屋全体が温まりやすいのが特徴です。

ガス栓が無い場合は設置が必要ですが、ガス栓に繋げば電気と同じように燃料の補充などは不要。また、使用に際しては1時間に1~2回ほどの換気が必要となります。

ガス暖房器具の一時間あたりのガス代はいくら?

1時間あたりのガス代
ガスファンヒーター 23.65円
ガスストーブ 20.84円

※ガスファンヒーターはリンナイ公表の2.44Kwタイプのガス使用量×従量単価500円(税別)でガス代を算出。ガスストーブは2.05Kwタイプのガス使用量をファンヒーター2.44Kwタイプの使用量から割り戻してガス代を算出

ガスストーブは器具周辺を重点的に暖めるのに対し、ガスファンヒーターは部屋全体を暖めることができますので、暖めたい場所や範囲によって器具を選ぶと良いでしょう。

上記は6畳程度の部屋で使用した場合を想定していますが、暖房の強さや部屋の広さ、外の気温などによってガス代が変わってきます。

ガス暖房器具を利用する上での注意点

ガス暖房器具を使用する場合、必ず1時間に1~2回は2分ほど換気をしましょう。換気が不十分な場合やバーナー部分の傷やつまりがある場合、不完全燃焼による一酸化炭素中毒につながる可能性があります。

また、使用したい場所にガス栓が無い場合は、ガス栓の設置工事が必要となります。ガス栓設置が必要な場合は、利用中のガス会社に相談しましょう。

電気の暖房器具

電気の暖房器具を使用するためのコンセント

電気の暖房器具は種類も豊富で用途も多岐にわたります。オイルヒーターやパネルヒーターなどもありますが、ここでは当社内で所有者の多かったエアコン、ファンヒーター、ストーブ、電気カーペット、こたつの5つの暖房器具をピックアップして電気代を比較したいと思います。

電気暖房器具の一時間あたりの電気代はいくら?

1時間あたりの電気代
電気ファンヒーター 18.30円
電気ストーブ 18.30円
ホットカーペット 6.20円
こたつ 2.33円
エアコン 17.02円

※電気ファンヒーター、電気ストーブは500W運転時、エアコンは465W運転時の電気代を2023年12月21日現在の東京電力の電気単価(第2段階料金)から算出
※ホットカーペットはPanasonic、こたつは山善の公表電気代(弱)を参照

温める範囲が広くなるほど電気代は高くなる一方、こたつやホットカーペットなど限定的な範囲を暖める器具は電気代が安くなっています。

リビングや寝室を温めたいならエアコンを、脱衣所など狭い場所を少しの時間温めたいならヒーターやストーブを利用する、といったように利用場所やシチュエーションを想定して一番合う器具を選びたいですね。

電気暖房器具を利用する上での注意点

コンセントがあれば使用できるので使う場所の自由度が高いのですが、すぐに暖める力や部屋全体を暖める力がガス・灯油と比べて弱い傾向にあるので、厳しい寒さの時は器具の併用が必要なことも。また、電気の暖房器具を使用すると空気が乾燥しやすいため、加湿器などの乾燥対策も必要になってきます。

これは暖房器具に限った事ではありませんが、コンセントを使用する際には、たまったホコリ等によるトラッキング火災にも注意しましょう。

灯油の暖房器具

灯油の入ったポリタンク

昔からお馴染みの「石油ファンヒーター」「石油ストーブ」が代表的な灯油の暖房器具は、ガス暖房器具と同様にすぐに部屋を暖める力に優れ、乾燥しづらいのが特徴です。

コンセントがあればどこでも使用することができるため使いやすいものの、灯油の補充を行う必要があります。

灯油暖房器具の一時間あたりの灯油代はいくら?

1時間あたりの灯油代
石油ファンヒーター 25.25円
ガスストーブ 23.38円

※ファンヒーターはダイニチを使用した場合(燃料消費量0.072リットル~0.360リットル/時間)の中央値×116.9円(石油情報センター2023年10月 民生用灯油(給油所以外)店頭価格の1L当たりの価格の全国平均)で灯油代を算出。ストーブは灯油消費量が0.2L/hかつ116.9円/Lの場合で灯油代を算出。

ガスと同じくらいの燃費で、ガスよりも使用場所の自由度は高いですが、灯油の補充を行う必要があるのが特徴です。

灯油暖房器具を利用する上での注意点

灯油の補充・購入が必要ですので、利用開始前に購入先を見つけておきましょう。

ガソリンなどの揮発性の高い油は絶対に使用せず、カーテンや毛布など燃えやすい物のそばでの使用もNG。ガス暖房と同じように必ず1時間に1~2回は2分ほど換気をしましょう。

使用灯油を補充する際には本体が冷えるまで待つなど、使用上の注意を守って安全に使用したいですね。

暖房器具を1日使うと光熱費はいくら?

1日(8時間)の光熱費
ガスファンヒーター 189.2円
電気ファンヒーター 146.4円
灯油ファンヒーター 202.0円

例えば、ガスファンヒーターをつけっぱなしにすると8時間で189.2円、1か月で5,000~6,000円の光熱費が掛かります。

もしリビングと寝室など複数個所で使用すると、暖房だけで毎月1万円~2万円の光熱費がかかるとなると、ちょっと家計への負担が大きいですよね。

ちょっとしたタイミングで忘れずに暖房を消す、サーキュレーターやエアコンを併用して使用時間を短くするなど、節約して上手に使うように意識すると良いでしょう。

つけっぱなしにするなら「乾燥」に要注意!

1時間の電気代
超音波式加湿器 0.7円
スチーム式加湿器 7.0円
気化式加湿器 0.4円
ハイブリッド式加湿器(加熱+超音波) 2.6円
ハイブリッド式加湿器(加熱+気化) 4.6円

特に電気の暖房器具を使うと空気が乾燥しやすく、肌トラブルの原因になったり風邪を引いてしまったりすることも…。そうならないように、加湿器などを使用して乾燥対策をしましょう。

加湿器の方式は主に4種類あり特徴も異なります。例えば、超音波式の加湿器は器具が熱くならず小さなお子様がいるご家庭でも安心して利用できます。

スチーム式は水を沸騰させるため菌が繁殖しにくく、気化式は電気代を最も抑えられる、ハイブリッドはそれぞれの良い特徴を組み合わせた形です。

利用環境や電気代、器具本体の価格などから、予算内で一番自分に合った加湿器を利用してくださいね。

ちなみに、洗濯物の部屋干しにも加湿効果がありますよ。

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ガス・電気・灯油の暖房費まとめ

色々な暖房とその特徴をしっかり理解できれば、満足する暖房選びが簡単にできますよね。当社のお客様からのお声を聞くと、ガスファンヒーターが一番暖かさの満足度が高いようです。

ガスファンヒーターを使いたいけど、ガス栓の設置はお金がかかるんだよね……、とお悩みの方!実はガス会社を変更するのと合わせてガス栓を設置すると、利用環境によっては無料でガス栓を設置できるかもしれません。

ご案内にはガス栓の設置場所などの確認が必要になりますので、詳しくは当社スタッフへとお問い合わせくださいませ。

      監修者:
プロパンガス事業 統括本部長
斎藤 行雄
新卒で大手プロパンガス会社へ入社。液化石油ガス設備士などの資格を取得し、充填・配送・設備工事・営業を一通り行う。その後、プロパンガス自由化に伴い独立し、業界初のWEB状でのプロパンガス会社変更サービスを立ち上げ。
2014年に法人化しガス屋の窓口を展開。プロパンガスに約30年携わった知識とノウハウを活かして、催事やガス会社向けのセミナーなどを手掛け、現在は複数のガス会社の顧問も務めている。
執筆者 神八 徹
プロパンガスのマーケティング・セールスに10年以上携わった経験を活かして、ガス屋の窓口の記事ライティングを担当。マーケット調査や執筆・編集を行っている。
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