お風呂のガス代はいくら?追い焚き・シャワーはNG?4人家族で試算
日常生活で一番ガスを使用するのは「お湯を使う」時、つまりお風呂に入る時です。お風呂と言っても入り方は様々で、追い焚きの回数やシャワーを使う時間によってもガスの使用量が変わります。
そこで入浴でガス代・水道代などの光熱費がいくらかかるのか、またどうすればうまく節約できるのかなど、光熱費の目安金額や計算方法をまとめました。
実際の皆さんのガス代と比べながら、節約できそうなポイントはどこかチェックして、バスタイムを快適にコスパよく過ごしましょう。
お風呂1回分のプロパンガス代はいくら?
春・秋 (水温17℃想定) |
冬 (水温8℃想定) |
|
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浴槽にお湯を張るガス代 | 119.8円 | 166.7円 |
※浴槽の容量は200L、プロパンガスの従量単価は500円(基本料金は別途)、プロパンガスの熱量は24.000kcal、給湯器の熱効率を80%とした場合の試算(税別)となります。
プロパンガスの給湯器で浴槽にお湯を張るのにかかるガス代は春・秋で約119.8円、冬で約166.7円です。ガス代に影響する主な要素は「水温」と「湯量」で、水が冷たい冬場は、同じようにお風呂を入れてもガス代が高くなります。
シャワーとお風呂、費用はいくら違う?
ガス代 | 水道代 | 合計金額 | ||
---|---|---|---|---|
お風呂1回の値段 | 166.7円 | 46円 | 212.6円 | |
シャワー1回の値段 | 5分 | 50円 | 13.8円 | 63.8円 |
10分 | 100円 | 27.6円 | 127.6円 | |
15分 | 150円 | 41.4円 | 191.4円 |
※浴槽の容量は200L、プロパンガスの従量単価は500円(基本料金は別途)、プロパンガスの熱量は24.000kcal、給湯器の熱効率を80%、シャワーの水量は12L/分、水道代は東京水道局を参考に0.23円/Lとした場合の試算(税別)となります。
ガス代を抑えたいからお風呂はシャワーで済ませる、という方もいらっしゃいますが、実際どのくらいガス代に差があるのでしょうか。結論から言うと、シャワーが15分以内なら浴槽にお湯を張るより安く、シャワーが20分になるとシャワーの方が高くなっています。
シャワーは1分間に約12Lのお湯が出るので、シャワーの使用時間がわかればお風呂で使っているガス代の試算もできます。上記は冬場を想定したガス代ですが、短時間のシャワーでお風呂を済ませられれば、確かにシャワーの方がガス代を安くできそうですね。
とはいえ、ヘアケアを念入りにする、シャワーを出しっぱなしで使用する、など色々な使い方にもよりますし、浴槽にお湯を張った場合でも洗髪やすすぎでシャワーを使うこともあります。自分がお風呂に入る時「何分くらいシャワーを使ったか」を目安に、どうしたらガス代を抑えられるか考えると良いでしょう。
シャワー17分でお風呂約1杯分の湯量
シャワーを17分使うと、約204L=およそお風呂1杯分の湯量となります。浴槽にお湯を張る場合もシャワーは多少使いますので、シャワーは20分程度を目安として、浴槽にお湯を張るか考えると良いでしょう。
ご家族等でお住まいの場合は、シャワーを1人で20分ではなく、家族全員で20分が目安となりますのでご注意ください。
追い焚き、足し湯、入れ替え。ガス代がお得なのは?
ガス代 | 水道代 | 一回の金額 | ||
---|---|---|---|---|
追い炊き | 22.2円 | 0円 | 22.2円 | |
足し湯 | 20L | 16.6円 | 4.6円 | 21.2円 |
60L | 50円 | 13.8円 | 63.8円 | |
100L | 83.3円 | 23円 | 106.3円 | |
入れ替え | 166.7円 | 46円 | 212.7円 |
※浴槽の容量は200L、プロパンガスの従量単価は500円(基本料金は別途)、プロパンガスの熱量は24.000kcal、給湯器の熱効率を80%、水道代は東京水道局を参考に0.23円/Lとした場合で、いずれも湯温が4℃低下した後にお湯を温め直す(足し湯の水温は冬場の8℃を想定)場合の試算(税別)となります。
ご家族がさほど間をあけずに(1時間前後で)入浴する場合は、追い焚きか少量の足し湯がお得です。ただし、浴槽のフタを閉めていないとお湯がすぐに冷めてしまうので注意。また、足し湯をすると浴槽の湯量が増えますので、状況によって追い焚きと足し湯を使い分けましょう。
浴槽のお湯は減っていないけど、お湯が冷めきってしまったときは、手間なくコスパも良い追い焚きがオススメ。足し湯をしようとすると少しお湯を抜いたりと多少の手間がかかりますからね。もしお湯が汚れてしまった時などは、浴槽のお湯を入れ替えるのが良いでしょう。
一晩放置した残り湯には”菌”がたくさん!?
追い炊きは水道代が掛からず素晴らしい機能ですが、注意したいのが残り湯の細菌です。入浴直後は少ない細菌も、残り湯を一晩置いておくだけで約1.000倍に増殖します。
その細菌多くは人と共生関係にあるため、これらが原因で病気になる可能性は高くはありませんが、レジオネラ菌など感染により身体に害を及ぼす菌もありますので、毎日入り終わった湯船のお湯は抜いておくのが良いでしょう。
でももったいないから残り湯を再利用したい、という方は、雑菌の繁殖を抑制し残り湯を衛生的に保つ「ふろ水清浄剤」を使ってみるのもよいかもしれませんね。
※参考元:衛生微生物研究センター
4人家族のお風呂代はいくら?
ここまでの試算を基準に、4人家族での実際のガス代・水道代を想定してみましょう。
たとえば、食後に息子がお風呂に入り、続けて娘が入浴。夕飯の片付けとお皿洗いを済ませてから母親が入り、その1時間後に仕事帰りまたは一服後のお父さんが追い炊きをして入浴するとします。
浴槽にお湯を張り、シャンプー等でシャワーを全員が使用。プラスしてお父さんが追い焚きを1回。シャワーは都度お湯を止めながら使うとして、「平均6分間」を全員が使用して毎日入浴した場合、1か月のガス代は「12,804円」となります。
金額 | |
---|---|
浴槽にお湯を張る金額 | 165.8円 |
追い炊きの金額 | 22.2円 |
シャワー6分×4人分の金額 | 238.8円 |
1日のガス代・水道代合計 | 426.8円 |
1か月のガス代・水道代合計 | 12,804円 |
※1か月=30日として計算
上記は春・秋の水温を想定した試算です。夏は上記よりガス代が安く、冬は上記よりガス代が高くなりますので、上記を目安にご自宅のガスの使い方をイメージしてみましょう。
実際にはキッチンや洗面で使うガス代も入ってきますし、お風呂を入らない日があればその分ガス代が削減されますので、請求金額と比べる時はご注意ください。
1人暮らしのお風呂代はいくら?
こちらも同様に試算してみましょう。25歳女性のBさんは、週に約3日浴槽にお湯を張ります。他の日は夜にシャワーを15分ほど浴び、お湯を張る日はシャワーを7分浴びるものとし、追い焚き・足し湯を行わないものとします。
おおよそ浴槽へのお湯張りが13日、入浴時のシャワー(7分)も13日、シャワー(15分)のみの日が17日として計算すると、1か月のガス代は「5,596円」となります。
金額 | |
---|---|
浴槽にお湯を張る金額(13日分) | 2,155円 |
シャワー(7分間)の金額(13日分) | 905円 |
シャワー(15分間)金額(17日分) | 2,536円 |
1か月のガス代・水道代合計 | 5,596円 |
※1か月=30日として計算
上記も春・秋の水温を想定したガス代試算で、上記よりも夏は安く冬は高くなります。ヘアケアをしっかり行う方など、ライフスタイルによってもガス代が変わりそうです。
シャワーをどのくらいの時間出しているか計算できると、今月どのくらいガス代がかかりそうかもわかりやすくなります。
「給湯器」と「エコキュート」の導入費用・光熱費を比較
浴槽にお湯を貯めるには、「在来型給湯器」「エコジョーズ」「エコキュート」を利用しているご家庭が多いでしょう。
この3種類は、料金や性能などさまざまな点が異なります。初期費用やランニングコストが安いのが良いか、災害時に強いのはどの種類なのかご紹介していきます。
購入費用が安いのは給湯器
エコキュート (370L) |
ガス給湯器 (追焚付・20号) |
|
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購入費用 | 40万円~50万円 | 10万円~13万円 |
※給湯器はオートタイプを想定。いずれも同型機種で買い替える場合の費用目安となります。
本体価格も施工費用も給湯器の方が安いです。給湯器の中でも、浴室乾燥・床暖房に使えるものなどもあり価格も異なりますが、いずれもエコキュートよりも安価。購入のハードルは給湯器の方が低いと言えます。
光熱費が安いのはエコキュート
エコキュート | ガス給湯器 | |
---|---|---|
浴槽にお湯を張る光熱費 | 53.3円 | 166.7円 |
※浴槽の容量は200L、プロパンガスの従量単価は500円(基本料金は別途)、プロパンガスの熱量は24.000kcal、給湯器の熱効率を80%、電気代は東京電力のスマートライフプラン(基本料は別途)の場合で、いずれも冬場の水温(8℃)を想定した場合の試算(税別)となります。
エコキュートは空気中の熱を取り込んでお湯を沸かすヒートポンプを利用していることで消費電力を抑え、さらに深夜の電気代が安い時間帯にお湯を沸かすことで光熱費を抑えることができます。
電気料金が高騰した場合やプロパンガス料金の安いガス会社を利用した場合は光熱費の差が縮まりますが、いずれにしてもエコキュートの方が光熱費は抑えられるでしょう。
災害時に強いのはどっち?
これは考え方によって、エコキュートと給湯器の評価が変わります。
エコキュートの貯湯タンクに貯められたお湯は、実は停電時でも使用できます。一方で給湯器は停電時は使用できません。ここだけを見ればエコキュートの方が災害時に強そうです。
しかし給湯器の燃料であるプロパンガスは、物件ごとに個別供給されているため災害復旧性に優れており、大型地震などの被災トラブル時に他のインフラよりも復旧が早いと言われています。
いかがでしょう、比較することが難しいと感じるのではないでしょうか?
断水となっていない場合は給湯器の方が被災時、通常利用に戻るまでの期間は短いと思いますが、大規模停電などで断水となっている場合は、貯湯分はお湯を利用できるエコキュートの方が利便性が高いとも言えますよね。
ですのでどちらが良いかというよりも、自宅の給湯設備の特性を理解しておくことが重要ではないでしょうか。
お得に入浴したい方はお風呂の入り方と器具をチェックしよう!
毎日湯船につかりたいけど光熱費が大変なことになりそう…。と悩んでいる方は、シャワーの時間が長くないか、追い炊きや足し湯の回数を少なくできないか、などチェックしながら無理のない範囲で節約してバランスをとるのもいいですね。
また、給湯設備のエコキュートとガス給湯器は、導入にかかる費用や光熱費以外にも性能を含めて「できること」が異なりますので、ご自分に合った機器を利用したいですね。
ちなみに、上記試算よりもガス代がお高い場合は、プロパンガスの料金設定自体が割高な可能性があります。検針票があればすぐに診断できますので、気になった方はお気軽に診断してみてください。
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