記事をシェアする

賃貸物件でのプロパンガス3大トラブル事例

プロパンガス会社との3大トラブル事例

全国消費生活情報ネットワークシステムのデータによると、国民生活センターと消費生活センターへのプロパンガスに関する相談は、2022年度で2,140件寄せられています。内容としては強引な勧誘や値上げ、違約金・解約金など金銭的なトラブルが多いそう。ただ、原因がわかっていれば避けることができるトラブルですので、事例ベースでトラブルの原因や対処方法を確認していきましょう。

ガス料金が「安くなってお得」のはずが、すぐ値上げされた!?

賃貸物件であっても大家さんの了承があればガス会社は変更できます。入居者様から大家さんに相談してガス会社を乗り換えたり、ガス会社から大家さんに「入居者のガス料金が安くなれば、入居者にも良い」と提案を受けてガス会社を乗り換えたりして、ガス料金を安くしたことがある方も多いでしょう。

しかし一方で、ガス会社変更後に”一方的にガス料金を値上げされた”などガス料金のトラブルが絶えず、訪問販売による被害も増加傾向にあるようです。プロパンガスは自由料金でガス会社が自由に値上げできてしまう為、値上げ前提で最初だけ安いガス料金に設定することもあります。

特に訪問販売であまりに安いガス料金を提示された場合は、一旦契約は保留として適正料金について調べたり、保証があると言われた場合でもしっかり書面を求めるなどの対策が必要です。口頭や名刺の裏書などでガス料金を保証すると提案してくる場合、担当者が変わった等の理由で反故される可能性が高いので注意しましょう。

ガス料金のトラブル事例

  • 値上げ前提の安すぎるガス料金を提案
  • ガス会社乗り換え後の大幅な値上げ
  • 説明の無い立て続けの値上げ

ガス料金のトラブルはいずれも「適正料金や値上げについてよく知らない」ことが原因です。調べても明確な答えが出ない物なので知らないのも当然ですし、逆に一度要点を理解できれば自分で対処できるトラブルですので、以下の回避策を覚えておきましょう。

ガス料金トラブルの回避策

  • 地域の相場価格/適正価格を調べる
  • 口頭だけの約束は信じない
  • 保証内容を書面にしてもらう

ガス会社乗り換えを検討するのであれば、提案を受けたガス料金は適正な金額なのか、乗り換え後の値上げについて保証はあるのか、もし値上げされてしまった場合どうすればいいのかなど、疑問や不安を質問して解決しましょう。調べても情報が少ないガス料金の適正料金などについては、当社へご相談いただければ地域相場と併せて詳しくご説明いたします。

「いつでも解約できる」はずが、解約時に費用を請求された?

ガス会社と契約する際に「契約縛りはないのでいつでも他のガス会社へ変更できますよ」と言われていても、解約や乗り換えの際に”撤去費用”が掛かる場合があります。これはガスメーター・ボンベなど供給設備の撤去費用で、15,000円~20,000円が目安となります。

ガス会社乗り換えの際は、新ガス会社が返却するので撤去費用が掛からないことがほとんどですが、もし撤去費用を取ると言われたら当社にご相談ください。状況によりますが、お客様の負担なくガス会社乗り換えできる可能性があります。

また、賃貸では契約不可となった設備貸与契約ですが、もし過去に設備貸与契約を結んでいた場合、契約が終わっていても解約時に費用がかかる契約もあるようです。ガス会社乗り換えを検討する際は、必ず契約書を確認すると良いでしょう。

解約・撤去のトラブル事例

  • 急に撤去費用を請求される
  • 設備貸与契約の途中解約にかかる違約金
  • 契約満了後でも解約金を請求される

解約・撤去については通常契約書に記載されており説明を受けているはずですが、契約のタイミングでは工事や引越しなどで立て込むことが多く覚えていない方も多いんです。特に、契約満了後でも解約金がかかるケースは失念しているお客様が多いので注意しましょう。

解約・撤去トラブルの回避策

  • 契約書の内容をよく確認
  • 契約書に押印する前に相談する
  • 身に覚えのない契約は、押印済の契約書写しを求める

もう契約してしまっているものは、内容を変えることが難しいので解約・撤去の条件を契約書で確認し、これからの契約については事前に内容をよくチェックしましょう。また、もし覚えのない契約をガス会社から告げられることがあれば、正式に契約したものであればガス会社が契約書の控えを持っているはずですので、その契約書写しをもらえるようお願いしましょう。

「給湯器・工事費が無料」その分ガス料金が高い!?

法改正以前は「給湯器は無料でつけますよ」という言葉をよく聞きましたが、法改正で賃貸の設備貸与はできなくなったから自分には関係ない、と思っていませんか?

確かに賃貸物件での新たな設備貸与契約はできなくなりましたが、法改正以前からの貸与契約は残ったままなので、その物件は依然として設備料金が上乗せされたガス料金になっています。

最近ガス会社と供給契約を結んだ方でも、法改正以前の貸与契約が残っていれば、ガス料金に設備費用が上乗せされたままです。もちろん違約金もかかり大家さんはガス会社を変えづらいので、契約内容を確認した上で誰にも負担のない方法を探しましょう。

ただ、中には契約書は無いのにガス会社が口頭で「契約があるからガス会社は変更できない」と言っているケースもあるので、契約の有無は大家さん側で確認する必要があります。また、契約期間中も値上げされることが多いので注意しましょう。

設備貸与のトラブル事例

  • 詳細が分からない設備貸与契約
  • 貸与契約中のガス料金値上げ
  • 設備費用が上乗せになったガス料金が高すぎる

大家さんは10年契約で解約金はいくら、というのはわかっていても、入居者のガス料金がいくらかわからないケースが多いです。設備貸与契約の期間中でも値上げされ、大家さんも想定しない高額なガス料金になっていることもしばしば。大家さんと入居者様でイメージしているガス料金が違うので、相談してもすれ違ってしまうケースも散見されます。

設備貸与でのトラブル回避策

  • 途中解約等も確認してから契約
  • 器具購入と設備貸与を比較
  • 貸与期間中の値上げリスクを理解

賃貸物件では新たな設備貸与契約はできないので、今後ご自身で戸建に引越した際に参考にしていただければと思いますが、契約に際しては期間や解約条件・ガス料金など諸条件を事前に確認しましょう。また、ガス使用量やガス料金によっては設備貸与にした方が損をする可能性もありますし、貸与期間中も値上げされるのでそれも踏まえて比較・検討する必要があります。

ガス料金にお悩みなら、まずは無料診断してみませんか? 当社スタッフ写真

トラブルなくプロパンガスを利用するために

絶対に問題を起こさないことはできなくても、トラブルに備えておくことはできます。そしてプロパンガスは備えておけばトラブルが起きても傷を最小限にとどめることができます。忙しいタイミングでも契約内容などはしっかり確認して、それでも不安があるようなら契約書に押印する前に相談しましょう。もしトラブルが起きてしまったら、国民生活センター・消費生活センターなどに問い合わせるのも選択肢の一つ。より良いプロパンガスライフが過ごせるように要所をしっかり押さえておきたいですね。

      監修者:
プロパンガス事業 統括本部長
斎藤 行雄
新卒で大手プロパンガス会社へ入社。液化石油ガス設備士などの資格を取得し、充填・配送・設備工事・営業を一通り行う。その後、プロパンガス自由化に伴い独立し、業界初のWEB状でのプロパンガス会社変更サービスを立ち上げ。
2014年に法人化しガス屋の窓口を展開。プロパンガスに約30年携わった知識とノウハウを活かして、催事やガス会社向けのセミナーなどを手掛け、現在は複数のガス会社の顧問も務めている。
執筆者 神八 徹
プロパンガスのマーケティング・セールスに10年以上携わった経験を活かして、ガス屋の窓口の記事ライティングを担当。マーケット調査や執筆・編集を行っている。
オススメ関連記事