プロパンガス vs 都市ガス:料金差額・仕組み・選び方を徹底比較!
家庭で使うガスには「プロパンガス」と「都市ガス」の2種類がありますが、その料金にはどれくらいの違いがあるかご存じですか?
プロパンガスは地域や業者によって価格が異なる自由料金制、一方で都市ガスは公共料金として価格が規制されています。
本記事では、両者の料金の仕組みやその差を分かりやすく解説し、どちらがどれだけ高いのか、そしてどのような場合にどちらを選ぶべきかを詳しくご紹介します。
毎月の光熱費を見直すきっかけにしてみてください。
プロパンガスと都市ガスの違いは?
プロパンガスと都市ガスは、どちらも私たちの生活に欠かせないエネルギー源ですが、それぞれに異なる特徴とメリットがあります。
まず、もっとも大きな違いが供給形態の違いです。プロパンガスは各家庭や施設に個別に設置されたボンベから供給され、配送業者がガスを補充する仕組みです。一方、都市ガスは地下に埋設されたガス管を通じて各家庭や建物に直接供給されるため、定期的な補充は必要ありません。
そして、燃料の性質にも違いがあります。プロパンガスは液化石油ガス(LPG)の一種で、都市ガスに比べて発熱量が高いのが特徴です。
そのため、同じ量を使用しても、プロパンガスのほうが効率的に熱を得られる場合があります。一方、都市ガスは主にメタンを主成分とし、プロパンガスよりも発熱量が低いものの、軽量で安価に供給される点が強みです。
参照元:経済産業省-LPガスの安全
参照元:経済産業省-都市ガスの安全
プロパンガスと都市ガスはどちらが高い?
プロパンガスと都市ガスの料金を比較すると、多くの場合、プロパンガスの方が高い傾向にありますが、一概には言えず、使用量や契約内容によって異なる点に注意が必要です。
これは両者の料金体系や供給方法、さらには市場の動きによる影響が大きく関係しています。
2024年10月末時点での家庭用LPガス(プロパンガス)の小売価格は、9,115円と横ばいで推移しています。この価格は、2021年8月のコロナ禍における最低価格(7,996円)と比較すると約1割上昇しており、エネルギー価格全体の高騰を反映しています。
一方、都市ガスの料金は一部規制されているものの、自由化により自由料金も増えており、価格は変動する傾向にあります。実際に、都市ガスの調整単位料金を比較すると、2021年8月の134.61円から2024年10月には178.27円へと上昇しており、近年では都市ガス料金の変動幅も大きくなっています。
またプロパンガスの料金は「基本料金」と「従量料金」の2つで構成されており、この中に設備の維持費や配送コストが含まれています。一方で都市ガスは、地下の配管を利用して供給されるため配送コストがなく、その分料金が抑えられています。
プロパンガスと都市ガスの料金の差額はどのくらい?
家庭での年間ガス使用量の平均が360〜480立方メートルと仮定すると、都市ガスとプロパンガスの年間の光熱費にはさらにわかりやすい差が出ます。
プロパンガスと都市ガスでは熱量(発熱量)が異なるため、単純な1立方メートルあたりの料金比較では実際のコスト差を正確には反映できません。
一般的に、都市ガス(13A)の発熱量は約11,000kcal/㎥であるのに対し、プロパンガス(LPG)は約24,000kcal/㎥と2倍以上のエネルギー量を持っています。そのため、同じ熱量を得るためには都市ガスの使用量がプロパンガスの約2.2倍必要になります。
この熱量差を考慮して料金を比較すると、都市ガスの料金が1立方メートルあたり150〜200円程度とすると、プロパンガスと同じ熱量を得るために必要な都市ガスのコストは約330〜440円相当となります。
一方、プロパンガスは1立方メートルあたり約400〜600円とされており、実際の料金差は1.2倍〜1.8倍程度になるケースが多いと言えます。
また、都市ガスでは年間約54,000〜96,000円ほどですが、プロパンガスでは約144,000〜288,000円になる場合もあり、年間で約10万円以上の差が生じることもあります。この差額は、特に冬場の暖房や給湯でガス使用量が増える家庭にとっては大きな負担となるでしょう。
ただ、プロパンガスは自由料金制であり、業者や地域によって料金が大きく異なります。同じ地域内でも複数の業者が競争している場合には料金が比較的安くなる傾向がありますが、競争が少ない地域では料金が高く設定されていることもある点には注意が必要です。
プロパンガスを安くする方法
プロパンガスは都市ガスに比べて料金が高い傾向がありますが、以下のようないくつかの工夫や対策を行うことで、ガス代を節約することは可能です。
- ガス料金の見直しと業者の比較
- 契約内容の確認と見直し
- ガス使用量の節約
- 長期契約や割引プランの利用
- 地域や団体での一括交渉
特にプロパンガスは自由料金制のため、同じ地域内でも業者ごとに価格が異なります。
そのため、現在利用している業者の料金プランを見直し、他の業者と比較することが最も大切です。複数の業者から見積もりを取り、条件の良い業者に切り替えることで、月々のガス代が大幅に削減できる可能性があります。
そして、価格交渉を行うことも一つの手段です。競争が激しい地域では、交渉次第で料金が下がるケースもあるでしょう。
参照元:資源エネルギー庁-LPガスの契約を透明化!私たちにも影響する、法制度改正の中身とは?
まとめ
プロパンガスと都市ガスの料金を比較すると、一般的に都市ガスの方が安いことが多いですが、プロパンガスには独自のメリットもあります。
プロパンガスは供給地域を選ばず、災害時にも復旧が早いなどの利便性が高く、地域やライフスタイルを問わず利用できる柔軟性が魅力です。
たしかに都市ガスと比較すると相場は高い傾向にありますが、業者や契約内容を見直すことでコストを抑えることが可能。
都市ガスが利用できない地域や、災害時の備えを重視する場合には、プロパンガスが最適な選択肢となるでしょう。