知らなきゃ損!オール電化の電気代が高くなる原因と対策5選
オール電化は、ガスを使わずに生活エネルギーをすべて電気で賄う便利で安全なシステム。しかし、使い方や契約内容によっては電気代が思わぬ高額になることもあります。
電力自由化に伴い「オール電化はお得」と聞いて導入したものの、毎月の電気代に驚いている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、オール電化の電気代が高くなる主な原因と、その解決策を5つ厳選してご紹介します。適切な対策を知ることで、効率的でお得なオール電化ライフを実現しましょう。
オール電化とは?
オール電化とは、家庭のエネルギー供給を電気に統一する住宅設備のことを指します。
具体的には、ガスや灯油を使用せず、調理や給湯、暖房といった日常生活に必要なエネルギーをすべて電気で賄う仕組みです。
これによって、ガスの配管が必要なくなるため、火災やガス漏れのリスクが軽減されるというメリットがあります。
主に使われる設備としては、
- 調理に使うIHクッキングヒーター
- 給湯用のエコキュート
- 電気温水器
- 暖房用の蓄熱式ヒーター
などがあります。
これはガスに比べて操作も簡単で、環境にも配慮された設計が多い点が特徴です。また、深夜電力の割安な料金プランを選択することで、電気代を抑えられる選択肢もあります。
ただその一方で、電力依存が高まってしまうため停電時のきちんとした対策が必要になります。そのほか、使い方や契約プランを間違えると電気代が高騰する場合もあるため、生活に合った契約を選ぶことが重要です。
参照元:代替燃料データセンター-完全電気自動車はどのように機能するのでしょうか?
オール電化の電気代金は高い?
オール電化住宅は、料理や給湯器の熱源、暖房・冷房といったすべてのエネルギーを電気で賄う仕組みです。
ガスを使わないため、光熱費を一本化できるのが大きなメリットですが、その反面、電気代が高額になるケースも少なくありません。
経済産業省 資源エネルギー庁によると、寒冷地である東北や北海道では、冬季の電気代がひと月10万円を超える家庭も存在します。
これは暖房や給湯で多くの電力を消費するためで、一般的な地域の消費量が約400kWhであるところ、電気代が月10万円を超えるような家庭では、消費電力量が3,000~5,000kWh程度と、数倍に達しています。
また、ウクライナ情勢などに伴って改定された電気料金(値上げ)もオール電化の電気代金をより高いと感じさせている一つの要因です。
電力会社 | 改定前料金 | 改定後料金(値上げ率) |
---|---|---|
北海道電力 | 15,662円 | 18,885円(21%) |
東北電力 | 13,475円 | 16,657円(24%) |
東京電力 | 14,444円 | 16,522円(14%) |
北陸電力 | 11,155円 | 15,879円(42%) |
中国電力 | 13,012円 | 16,814円(29%) |
四国電力 | 12,884円 | 16,123円(25%) |
沖縄電力 | 14,074円 | 19,397円(38%) |
参照元:経済産業省 資源エネルギー庁
オール電化のメリットと注意点
オール電化住宅には、便利で快適な暮らしを実現する以下のような多くのメリットがあります。
【オール電化のメリット】
- 安全性が高い
- 光熱費の管理が簡単
- 環境に優しい
- 深夜電力を活用できる
- 設備のメンテナンスが楽
まず、ガスや灯油を使用しないため火災やガス漏れのリスクが減り、安全性が向上する点が挙げられます。特にIHクッキングヒーターは、火を使わないので小さな子どもがいる家庭でも安心です。
また、エネルギー源を電気に一本化することで光熱費の管理が簡単になり、ガスの基本料金も不要になるためコスト削減も期待できます。
しかし、オール電化には事前に知っておきたい以下のような注意点もあります。
【オール電化の注意点】
- 停電時のリスク
- 機器選びによる電気代の差
- 寒冷地でのコスト増
- 深夜電力を活用できない場合のコスト増
最大の課題は、電力への完全依存です。
停電が発生した場合、調理や給湯(※)、暖房など、生活の基本機能がすべて停止してしまうため、非常時の対策が必要です。
※エコキュートの場合は貯湯タンクからのみお湯が利用可能。
例えば、ポータブル電源やカセットコンロを備えておくといった工夫が求められるでしょう。
オール電化の電気代が高くなる原因4選
オール電化の電気代が高いとされるにはいくつかの原因が存在します。ここからはその具体的な要因を確認しましょう。
世界的なエネルギー高騰の影響
新型コロナウイルス感染症からの経済回復による需要の急増によって、2021年10月頃から、世界的にエネルギー価格が上昇し始めました。
さらに、2022年にロシアとウクライナ情勢が悪化したことで、供給の不安定さが加速し、電力価格の高騰に拍車がかかりました。
特に日本では輸入エネルギーへの依存度が高いため、この影響を受けやすく、オール電化住宅の電気代にも直接的な影響が出たのが大きな要因のひとつです。
参照元:資源エネルギー庁-第1節世界的なエネルギーの需給ひっ迫と資源燃料価格の高騰
電気代が高い時間帯に使っている
オール電化住宅向けには、深夜電力を割安で利用できるプランが一般的です。しかし、日中に電力を多く使う生活スタイルの場合、このメリットを活かせないことがあります。
特に10時~17時のピークタイムは、割高な料金が設定されやすく、この時間帯に暖房や調理器具を多用すると電気代が高騰します。
タイマー機能や使用時間の見直しで、効率的な電力使用を心がけることが大切です。
電力消費量の多い暖房設備の使用
古い暖房設備や、省エネ性能が低い機器を使用していると、必要以上に電力を消費し、電気代が高くなります。特に、寒冷地で暖房が必須となる場合、消費量が増加しやすいです。
最新の省エネ型エアコンや蓄熱式暖房機を導入することで、同じ暖房効果でも電力消費を抑えることができます。
また、断熱材や窓の性能を見直すことも暖房効率を上げるポイントです。
不要な照明や家電の点灯・使用
意外と見落とされがちですが、不要な照明や家電をつけっぱなしにしていることもオール電化の電気代が高くなる1つの原因です。
特にオール電化住宅では、普段から電気を多く使うため、これらの「無駄な消費」が積み重なると月々の電気代に大きな影響を与えやすいです。
例えば、使っていない部屋の照明やスタンバイモードで待機している家電製品が多い場合、それだけでもかなりの電力を消費してしまうのです。
オール電化の電気代を安くする方法とは?
オール電化住宅で電気代を安く抑えるためには、日々の使い方や設備の見直しが重要です。以下に、効果的な節約方法をいくつかご紹介します。
【オール電化の電気代を安くする方法5つ】
- 電気料金プランの見直し
- 省エネ性能の高い機器を導入
- 電力使用量を抑えるための意識づけ
- 住宅の断熱性を高めること
- 再生可能エネルギー自家発電(太陽光発電システムなど)の導入
この中でもっとも簡単で電気代をすぐに安くできる可能性があるのが、電気料金プランの見直しです。
多くの電力会社は、オール電化住宅向けに「夜間料金が安くなるプラン」を提供しています。このようなプランでは、深夜帯に給湯器や蓄熱式暖房機を稼働させることで電気代を抑えられます。
もし日中に電力を多く使っている場合は、生活スタイルを見直し、可能な限り夜間の安い時間帯に電力をシフトする工夫が効果的です。
まとめ
オール電化住宅は便利で環境にも優しい選択肢ですが、使い方次第では電気代が高くなることもあります。
その主な原因として、世界的なエネルギー価格の高騰、ピークタイムの電力使用、省エネ性の低い設備の利用、不要な家電の使用などが挙げられます。
一方で、電気料金プランの見直しや、省エネ機器の導入、断熱性の向上、深夜電力の活用といった工夫を取り入れることで、電気代を大幅に抑えることも可能です。
日頃の使用状況を意識し、適切な対策を講じることで、経済的な生活を実現しましょう。