都市ガスとプロパンガスの違いは?料金や使用時の違いも比較
都市ガスとプロパンガスは、どちらもご家庭で利用されているガスですが、様々な違いがあります。
ガスの種類や料金はもちろん、ご家庭への供給方法、災害時の復旧スピードまで、その違いをまとめました。都市ガスとプロパンガスの違いや特性を理解した上で、安全・快適にガスを利用していきましょう。
都市ガスとプロパンガスの違い
都市ガスとプロパンガスの主な違いは上記のとおりです。ガス種の変更を検討している方や違いを知りたい方のために、それぞれ詳しく説明していきたいと思います。
今のお住まいの都市ガスとプロパンガスの見分け方はこちらのページをご覧ください
①成分
都市ガスはメタンを主成分とする液化天然ガスで(Liquefied Natural Gas)、プロパンガスはプロパン・ブタンを主成分とする液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)です。
プロパンガスの方が容易に液化できる、空気よりも重いなどの特徴はガスの成分の違いによって生まれています。プロパンガス・LPガスの特性や特徴はこちらで詳しくまとめていますのでご参考くださいませ。
②熱量
都市ガスとプロパンガスは熱量が違います。都市ガスの熱量が約11,000Kcal/㎥なのに対し、プロパンは約24,000Kcal/㎥とおよそ2.2倍の熱量を持っているんです。
中華料理店等で利用されている業務用コンロは、プロパンガスの熱量を活かして高火力になっています。ただご家庭用のガスコンロでは火力が調整されており、プロパンガスのコンロも都市ガスのコンロも同等の火力となっています。
③供給方法
プロパンガス | 都市ガス | |
---|---|---|
供給方法 | ガスボンベを配送 | ガス導管による供給 |
都市ガスは地中埋設のガス導管を通じて各家庭へ供給されていますが、プロパンガスはガスボンベに詰めた状態で各家庭へと運ばれます。
プロパンガスボンベはガス会社が定期的に運んでいますので、ご家庭でのガスの使い勝手は変わりませんが、プロパンガスを利用する場合はガスボンベの設置スペースが必要になります。
④供給可能エリア
プロパンガス | 都市ガス | |
---|---|---|
供給可能エリア | 全国 | 都市部 |
都市ガスはガス導管がある都心部でしか利用できませんが、プロパンガスはガスボンベが配送できれば全国どこでも利用可能です。
離島や工事現場の仮設シャワーなどでもプロパンが利用されており、プロパンガスは様々なシーンで利用しやすいエネルギーとも言えます。
⑤ガス器具
ガス器具も都市ガス用とプロパンガス用に分かれていますので、利用するガス種に合わせたガス器具を用意する必要があります。ガス器具のサイズや基本的な形に大きな違いはありませんが、ラベルに都市ガス用・プロパンガス用等の記載があるのでしっかり確認しましょう。
ちなみに、ガステーブル等をガス栓をつなぐホースの色は、都市ガスとプロパンガスで違います。都市ガス用のホースは薄いベージュ、プロパンガス用のホースはオレンジ色ですので覚えておくと便利です。
⑥災害時の復旧速度
都市ガス復旧まで | プロパンガス復旧まで | |
---|---|---|
宮城県沖地震 | 31日 | 3日 |
釧路沖地震 | 23日 | 1日 |
阪神・淡路大震災 | 85日 | 14日 |
新潟県中越地震 | 53日 | 18日 |
導管が地下でつながっている都市ガスとは違い、プロパンガスは物件ごとの個別供給のため、災害時の復旧も早い傾向にあります。上記は過去の震災時の復旧速度をまとめたものですが、プロパンガスの方が復旧が早いことは一目瞭然です。
⑦導入費用
プロパンガス | 都市ガス | |
---|---|---|
配管費用 | 9~11万円 | 12~15万円※1 |
コンロ・給湯器費用 | 15~20万円 | 15~20万円 |
※金額は全て戸建住宅の場合の試算となります
※1:導管が物件の前まで敷かれている場合
都市ガスとプロパンガスの導入費用の違いは主に配管費用に表れ、都市ガスの方が数万円ほど高くなる傾向にあります。ただ、ガス配管の長さや購入するガス器具によって導入費用は変動する為、これから導入する方は事前に見積もりを確認しておきましょう。
⑧毎月のガス代
プロパンガス | 都市ガス | |
---|---|---|
1ヶ月の平均ガス代(税込) | 8,828円※1 | 6,274円※2 |
※1「エネ研・石油情報センター」一般小売価格LPガス確報2024年4月の東京都のガス料金と、「日本生活協同組合連合会」2016年7月公表の「わが家の電気・ガス料金しらべ」の平均ガス使用量から試算したガス代
※2「東京ガス株式会社」2024年7月検針分 B表料金と、ホームページにある平均ガス使用量から試算したガス代
導入費用とは逆に、毎月のガス代はプロパンガスの方が高い傾向にあります。プロパンガスはガスボンベの配送コストや不透明な値上げによって割高になりやすく、その他にも貸与契約などによって料金設定が高くなってしまうことも多いのです。
ただし、戸建住宅で適正料金のプロパンガスを利用した場合は、都市ガスと同水準のガス代で利用することもできますので、戸建住宅でプロパンガスを利用中の方はお得な料金プランのガス会社を選びましょう。
⑨値上げ
例えば東京エリアでは、プロパンガスも都市ガスも自由料金ですので、ガス会社が料金設定を決めることができます。なのですが、以前は規制料金だった都市ガスはどの会社も安く地域ごとに一律料金であるのに対して、以前から自由料金だったプロパンガスは同じエリアでも二倍高いガス代になってしまうほど、ご家庭ごとのガス料金の差が大きくなります。
その大きな差を生み出す一番の原因は「値上げ」。プロパンガスの値上げは、値上げ金額や頻度もガス会社によって違い、元々ガス料金が高い人も安い人も同時に値上げされるなど、不透明な部分が多いのです。
もし値上げされてしまった場合は、他のガス会社が値上げしているか確認して、値上げが適切かを確認すると良いでしょう。
都市ガスよりプロパンガスの方がガス代が高い理由
都市ガスとプロパンガスは平均的なご家庭で比較すると、毎月のガス代で2000円ほどプロパンガスの方が高くなっています。なぜガス料金に違いが出るのか、その理由をご説明します。
配送コストがかかる
都市ガスとは違い、プロパンガスはガスを詰めたガスボンベを配送している為、人件費やガソリン代などの配送コストがガス料金に上乗せされてしまう分、割高になってしまいます。
料金が不透明
都市ガスは同じガス会社・料金プランであれば地域ごとに一律料金ですが、プロパンガスは違います。AさんとBさんが同じ地域で同じ日にプロパンガスを新規契約するとしても、申し込み経路などによってプロパンガスは料金プランが異なるんです。
未だに検針票に料金設定(従量単価など)の明細が記載されていない会社もあり、その地域の適正料金もわかりづらいため、プロパンガスは自分のガス代が高いのか安いのかわかりづらい傾向にあります。
都市ガスとプロパンガス、使うならどっちがいいの?
ガス代を安定して安くしたい方は都市ガスが、万が一の災害時への備えや設備貸与契約の活用を考えている方はプロパンガスが向いていますが、それに当てはまらない方も多いはず。
もっと詳しくガスを選びたい方の為に、都市ガスとプロパンガスそれぞれのメリット・デメリットや選び方のポイントなどをまとめましたので、以下のページをご参考くださいませ。
都市ガスとプロパンガスの見分け方は?
ガスボンベ設置の有無、ガスコンロや給湯器に貼られている商品情報(ガス種)などで確認するのがわかりやすいですが、お部屋の中ではガス種が確認しづらいケースもあります。
物件選び中の方、今のお住まいのガス種がわからない方等のために、都市ガスとプロパンガスの見分け方をまとめていますのでご参考ください。
ガス料金の違いにお悩みの方は、ガス会社変更で解決!
都市ガスとプロパンガスの様々な違いを紹介しましたが、利用している中で一番気になるのは「ガス料金」の違いでしょう。
最近は物価も高く光熱費も値上げばかりで、少しでもガス代を安くしたいと思う方がほとんどのはず。実はプロパンガスでも、無理な節約はせずに都市ガスと同水準のガス料金にできるんです!
その方法はずばり、適正料金のガス会社へ変更すること。電話一本で申し込みができて、ガス料金が平均で20~30%もお安くするできます。もちろん費用は無料です。
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