アパートのプロパンガスは変えられないって本当?
集合住宅、特に賃貸アパートにお住まいの場合、高すぎるプロパンガス料金に悩むご家庭が多いですよね。でも集合住宅はガス会社を変更できないって聞くし、大家さんにも話しづらくて…、と様々なハードルがあるのが実情です。
2024年4月2日に公布された法改正によりLPガス料金・契約の透明性が高まり、入居者にとってより良い環境が生まれつつあります。そこで本記事で、賃貸アパートのプロパンガス会社変更や入居者様にできることを改めてご説明します。法改正の内容についてはこちらをご参考ください。
賃貸アパートでもプロパンガス会社は変更できるのか
大家さん(または管理会社等)の了承があれば、ガス会社の変更は可能です。変更する場合、世帯ごとの個別変更ではなく、一棟ごとの全体変更となります。世帯ごとにガス会社を変更することは通常できませんので注意しましょう。
なぜ入居者だけで変更できないの?
理由は大きく2つで、1つは集合住宅のガス配管は一社が全体にガス供給(一括供給)をする前提で作られているため個別変更が困難なこと、もう1つは賃貸物件の所有者は大家さんなので契約や配管工事には大家さんの了承が必要なことです。またガス会社も、物件はあくまで大家さんの物だという前提で契約を行っていますので、一括供給の物件が個別供給になる可能性は極めて低いです。
【重要】2024年4月公布!LPガスの法改正で何が変わった?
賃貸物件の入居者様にとって大きく変わった点は2つあります。1つは賃貸物件での設備貸与契約の禁止です。過去は賃貸物件の大家さんとガス会社が設備貸与契約を結ぶと入居者様のガス料金に上乗せされていましたが、これが禁止となって高すぎるガス料金が是正されていくでしょう。もう1つはガス料金の透明性が向上したことで、入居前でもガス会社に要請すればガス料金が確認できるようになりました。その他、法改正のポイントはこちらをご参考ください。
大家さんがガス会社変更に難色を示す理由
「ガス代が高いから変えたい」と大家さんや管理会社に相談しても断られてしまうケースがあります。大家さんにとっても入居者様が一番大切なのになぜでしょうか?そこには、大家さん側の様々な事情があるんです。
「設備貸与契約」が最大の壁!
賃貸の設備貸与契約は禁止されましたが、それは新規契約の話しで、過去に結んだ設備貸与契約は有効なままです。なので法改正後も、ガス会社を変更するのに設備貸与契約による違約金が掛かる場合があり、大家さんも思うようにガス会社を変更できないんです。
長年の付き合いや個人的な関係
大家さんの中にはいくつも物件を持っていて、すべて同じガス会社と契約してる場合もあります。また、リフォーム業者を紹介してもらったり、客付の手伝いをしてもらったりと、過去の色々な兼ね合いからガス会社を変えづらいこともあるので、大家さんと相談する際には留意しておくとよいでしょう。
【2025年視点】貸与契約の今後は?
新規の設備貸与契約ができない以上、過去あったような貸与契約は無くなっていくでしょう。設備費用が上乗せされなくなるのでガス料金も安くなっていく見込みですが、過去の設備貸与契約が無くなるわけではありませんので、長い時間をかけて業界全体で変化していくのではないでしょうか。一方で、設備貸与契約に代わるサービスも出てきていますので、残念ですが賃貸アパートのガス料金が戸建住宅と同等まで安くなる可能性は低いかもしれません。
諦めるのはまだ早い!アパートのガス代を改善するためのステップ
大家さんの事情や貸与契約については理解いただけたかなと思いますが、だからと言って高すぎるガス料金を受け入れられるわけではありませんよね。状況を理解した上で、あなたのプロパンガス料金を少しでも安くするためにできることを紹介していきます。
ステップ1:現在の基本料金・従量単価をチェック!
検針票をじっくり見てみましょう
基本料金、従量単価(1㎥あたりの単価)、ガス使用量が具体的にいくらなのか確認しましょう。法改正以前からガス会社と契約している場合は、設備費用がガス料金に上乗せされている場合もあります。
過去数ヶ月分の検針票を確認
過去に基本料金や従量単価の値上げがあるかをチェック。備考欄などに値上げの記載されていることもあるので注意しましょう。ガス使用量は季節によって変わりますので、そこまで気にしなくて大丈夫です。
ステップ2:あなたの地域の「適正価格」を知ろう
入居者様の「ガス代が高い」という意見はとても大切ですが、具体的に「相場と比べていくら高いか」があると大家さんも入居者様の状況を理解しやすく、協力してくれやすくなります。
プロパンガス料金の相場を調べる
エネ研・石油情報センターなどで、お住まいの地域のガス料金相場を調べることができます。使用量ごとのガス代も分かるので、自分のガス代と比較できるような情報をまとめましょう。
目安の価格例
当社がご案内するガス料金ですと、集合住宅の平均的な使用量(7㎥)でのガス代は5,000円~6,000円程度が目安となります。
ステップ3:大家さんへの「上手に相談」する
大家さんも悪意を持ってガス代を高くしている方はいませんし、中にはガス会社が大家さんに言わずに値上げしているケースもあります。管理会社が大家さんに伝えないこともあるのでダメもとになりますが、丁寧に大家様さんへ相談してみましょう。
相談方法1.具体的な数字で伝える
「ガス代が高いんです」だけでなく、「今月のガス代は〇〇円でしたが、この地域の平均価格を調べたら〇〇円なので、月に〇〇円、年間で〇〇円もガス代を高く払っているんですよ」と具体的に伝えましょう。
相談方法2.大家さんの負担が無いように配慮
設備貸与契約がある場合、「大家様も急な費用負担は難しいと思うので、何か解決策がないか一緒に考えてもらえませんか?」といった姿勢を見せることで、大家さんに協力的な印象を与えられます。
相談方法3.専門家のアドバイスを活用する
当社をはじめとするプロパンガス会社変更のサービス会社は、大家さんへの交渉や賃貸物件でのガス会社変更に関して多くのノウハウを持っています。相談前に一度、プロに相談してみると状況が整理できるのでオススメです。
ステップ4:提案を聞いてもらえれることになったら、ガス屋の窓口へ連絡
もし大家さんがガス会社変更を検討してくれることになったら、当社までご連絡ください。当社にて複数ガス会社から相見積もりをとり、ガス料金や緊急対応など総合的な条件を比較しながら、最適なガス会社・プランを大家さんへご提案させていただきます。ガス会社変更については当社・新ガス会社がフルサポートしますのでご安心ください。
こんな時どうする?よくある質問と対処法
Q. 大家さんがガス会社変更を許可してくれない場合はどうする?
大家さん・管理会社がガス会社変更を検討できない場合は、ガス使用量を減らす節約や電気の乗り換えなどで光熱費を安くするよう工夫しましょう。具体的なプロパンガス代の節約方法についてはこちらをご覧ください。
Q. 契約期間が残っているのにガス会社を変更すると違約金は発生する?
はい、大家さんに対して違約金が発生します。入居者様がその費用を負担することはありませんが、全世帯分の違約金を大家様が負担するかたちとなるので覚えておきましょう。
Q. プロパンガス会社選びで失敗しないためには?
比較検討をしっかり行い、契約条件を事前に理解しておくことが重要です。入居者様にとっても大家さんにとってもガス会社選びは難しい部分があるので、当社のような専門サービスを利用しながら、内容に納得するまで妥協せず相談しましょう。
まとめ:賃貸アパートのプロパンガス問題は、情報と行動で解決へ
過去に問題の温床となっていた賃貸アパートのプロパンガス料金は、2024年4月2日に公布された法改正によって改善に向かっている最中です。まずは、あなたのガス料金が本当に適正なのかを理解して、大家さんに相談したり当社へ相談したりと、プロパンガスの契約を取り巻く環境が変わった時に対応できるようにしておきましょう。「賃貸だから無理」と諦めず、より快適で経済的なガスライフを目指しましょう!
参考文献
経済産業省 |
●石油流通・LPガス政策
●賃貸集合住宅におけるLPガス料金の透明化 ●LPガスの安全・規制 ●LPガス料金に影響?訴訟になるリスクも?知っておきたい、「LPガス」の商慣行 ●LPガスの契約を透明化!私たちにも影響する、法制度改正の中身とは? ●LPガスの商慣行是正に向けた対応方針 中間とりまとめ 概要資料 |
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